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Book Review 始発駅
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せんだひろし
ボラステ世話人代表。JC(青年会議所)とボランティアセンターでの活動体験からボラステを始める。市長や議員、役所に過度に依存しなくとも市民が地域を変えることができると信じている。本職は小さなタクシー会社を経営。「粗にして野だが卑ではない」生き方が理想。1959年生まれの在日韓国人。
帰宅困難者…大規模災害などで交通機関が止まり、自宅に帰ることができない人たち。3・11の時には東京はじめ各地で大混乱。その体験を元に突発的な『次』に備えようということか。1月27日夜から28日朝にかけて、東京駅に通じる地下通路でおよそ40人が参加して実験が行なわれたとマスコミが報じている。28日未明の気温は屋外で氷点下、地下通路でも6℃に達するかという厳しい寒さ。実験後、参加者からも様々な意見や感想が出されていたが、今回はあくまで「つもり」の疑似体験である。実際時にスムースにことが運ぶとは思えないが、実験を通して企業や行政、そして当事者になるはずのボクら一人ひとりが物心両面に備えるということが大事なのは、言うまでもない。ところで、このニュースを聞きながら、ボクがひとつ思い出したのは、「野宿者」の人たちのことである。前述の実験参加者からは「寒さが厳しくて眠れなかった」という声が異口同音に出たというが、それはそのとおり、早朝の部屋の寒さから推しても、外の寒さを想像するのは難くない。実験参加者は全てが準備された中での「外寝体験」だが、「野宿者」の人たちにとってそれらの状況は、毎日続く「現実」なのだ。自民党・小泉政権時に流行った「自己責任」という、実に無責任な言葉。「野宿者」の人にもいろいろな事情があり、好んで野宿している人はいない。帰宅困難者対策も充分に必要なことだと認めたうえで、「野宿を強いられている人たち」への救済策を講じることも同時進行で大切なことではないか。震災の復興復旧や国内外を取り巻く不景気一掃のために、やらなければならないことは山積しているが、それらに乗じて東京電力や日本を代表する企業の一部に「巻き返し」や「焼け太り」を目論んでいる動きがあることを感じてならない。「問題」や「事件」は日々様々なカタチで目の前に現れるが、突き詰めていくとその本質は「人権」に関わることばかり。そこを見落とさないように注意深く生きていくことが、今、求められているのではないか。(せんだひろし)